RORO船とは
RORO船とは、貨物を積んだトラックやトレーラーが、そのまま自走して乗り込み運搬できる貨物用船舶のことです。
一般的には、海上運送法及び、内航海運業法に基づき届出をした、貨物または、旅客定員が12名以下の船舶のうち、貨物の積み(Roll on)下ろし(Roll off)のためのゲート(ランプウェイ)を有する貨物用の船舶のことをRORO船と呼びます。
RORO船と似た船舶の種類として、LOLO船があります。LOLO船はLift on / Lift offの略で、荷役作業は港の岸壁に設置されているガントリークレーンを用いて貨物の積み下ろしをする船舶のことを指します。
RORO船のメリット
RORO船やフェリーでの港を発着拠点とする海上輸送は、航行中はドライバーの休息期間として労務処理が可能なため、自走するトラックによる陸上輸送よりもドライバーの拘束時間削減となり、労働力の省力化、無人化(無人航送)ができます。2024年問題の対策や改善基準告示の遵守にフェリーを利用したトレーラーでのシャーシ輸送は有効です。
さらにフェリーは、コンテナ船やRORO船と比較して一般旅客も乗せて運航しているので、定時性に優れている点もメリットといえます。
また、貨物輸送時に発生するCO2も削減でき、コスト削減にも繋がるため、近年、物流の効率化や環境負荷軽減に有効な輸送手段として注目されています。
参考資料:RORO船・フェリー輸送のメリット
RORO船やフェリーを利用した
海上輸送のデメリット
RORO船やフェリーによる海上輸送は、貨物を積載し自走して陸上輸送するトラック輸送と比較して、港の発着時間が決まっていますので、船の出航時間に間に合わせるように貨物を積載して港に到着しておく必要があります。荷主サイドとしては、海上輸送のみ出荷順を優先させる訳にもいきませんが、労務管理上、荷待ち時間も問題視されておりますので近年では予約システムなどを活用した出荷ルールを導入している企業も増加傾向です。また、港からは陸送対応になりますので、場所に応じては陸上輸送と比較してリードタイムが伸びるデメリットがあります。
RORO船やフェリーでの海上輸送を検討する際は、メリットとデメリットを踏まえた上で、検討していく必要があります。
RORO船とフェリーの違い
RORO船・フェリー共に大型トラックやトレーラーなどを運搬していますが、その大きな違いはRORO船は主に貨物を運搬しているのに対しフェリーは貨物に加え多数の旅客も輸送している点です。
フェリーでの貨物輸送については無人輸送が主ではありますが、昨今の労務管理の厳格化に伴い長距離フェリーでは乗船時間が休息時間として扱われる特例がある為有人トラック乗務員の利用も増加傾向にあります。
客室やレストラン、浴室も充実しており、旅客についてもリーズナブルな船旅には注目が集まっております。
RORO船・フェリー輸送でモーダルシフト実現
RORO船やフェリーによる海上輸送が注目されている背景には、国内物流におけるモーダルシフトの必要性が高まっていることが挙げられます。陸上輸送から海上輸送への転換を、鉄道利用による輸送と合わせてモーダルシフトといい、国土交通省の案内においても「物流総合効率化法」において、モーダルシフトが推進され、物流業務の効率化がサポートされています。特に、RORO船やフェリーを活用した海上輸送は、環境負荷の低減や物流業界が直面する2024年問題の解決策として労働省力化にも有効であるとされ、ますます注目を集めています。
関光汽船は、全国を網羅するグループフェリー網で、大型フェリー、高速フェリーの強みを活かした安全で安定した輸送力を提供し、物流の効率化、環境負荷軽減に貢献いたします。
参考資料:モーダルシフトのメリット
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